カシスの栽培

カシスは、その豊かな香りで知られ、世界各地で栽培されています。ここでは、この小さな黒い果実の世界における栽培状況、フランスでの生産、そして直面している課題をご紹介します。

世界におけるカシス：栽培、品種、生産量

ヨーロッパ原産のカシスは、現在では世界各地で栽培されています。中でもロシアは年間30万トン以上を生産し、世界最大の生産国として他国を大きく引き離しています。ヨーロッパではポーランドが首位で、年間13万トン以上を生産し、次いでイギリスが1万2千トンを記録しています。フランスは年間7千トンと生産量では劣るものの、ヨーロッパにおける第3位の生産国であり、この果実の栽培において依然として重要な役割を果たしています。

フランスにおけるカシス：18世紀から続く伝統

フランスにおけるカシス栽培の歴史は18世紀に遡ります。当時、ある修道士がカシスの効能をまとめた著作を発表し、この果実の普及に大きく貢献しました。現在では生食用としてだけでなく、有名なカシスリキュール「キール」に代表されるリキュール製造にも欠かせない存在となっています。フランスにおけるカシス栽培の歴史は18世紀に遡ります。当時、ある修道士がカシスの効能をまとめた著作を発表し、この果実の普及に大きく貢献しました。現在では生食用としてだけでなく、有名なカシスリキュール「キール」に代表されるリキュール製造にも欠かせない存在となっています。

主な生産地域は、ペイ・ド・ラ・ロワール地方、ブルゴーニュ地方、オワーズ県、そしてドローム県とアルデシュ県です。これらの地域はカシス栽培に非常に適しており、特にペイ・ド・ラ・ロワール地方は気候や土壌の条件に恵まれ、国内最大の生産地となっています。

カシス調達：持続可能なパートナーシップ

レ・ヴェルジェ・ボワロンでは、生産者からの直接購入を優先しています。私たちが仕入れるカシスの約60％は生産者から直接調達され、残り40％は協同組合を通じています。調達はフランス国内の4つの主要産地――ペイ・ド・ラ・ロワール、ブルゴーニュ、オワーズ、ドローム、アルデシュ――に分散しています。

商業関係も長い歴史を持ち、特にドローム県とアルデシュ県では15年以上にわたるパートナーシップを築いてきました。複数年契約による仕入れは、フランスにおけるカシス産業を支援し、エコ責任・持続可能なアプローチを実現するものであり、私たちはまた生産者の栽培や収量向上のための研究にも助成しています。

カシスの木 ― 頑丈だが繊細な低木

カシスの木は頑丈ですが、極端な気温には弱い性質があります。フランスで栽培される主要な品種は「ノワール・ド・ブルゴーニュ」と「ブラック・ダウン」です。通常、植えてから最初の実をつけるまでに2～3年かかり、1本の木は12～15年間利用できますが、健全な収穫のためには枯れ枝を取り除くための定期的な剪定が必要です。

病気には比較的強いものの、浅い根を持つため雑草との水分競合に弱いのが特徴です。かつては灌漑なしで栽培されていましたが、現在では特にブルゴーニュなどの地域で灌漑が不可欠となっています。