Les vergers Boiron - FRAMBOISE
Les vergers Boiron

世界のフランボワーズ ― 栽培、生産、品種

繊細で風味豊かな果実

フランボワーズは、デリケートで風味豊かな果実です。世界各地で栽培されており、生食はもちろん、ピューレやジュース、デザートなど、食品産業において重要な役割を果たしています。2020年には世界生産量が70万トンを超え、フランボワーズは最も人気のあるベリー類のひとつとなりました。

世界のフランボワーズ生産 ― 9か国が市場を支配

世界のフランボワーズ生産の80%以上は、わずか9か国によって占められています。主要な生産国には、ロシア、アメリカ、ポーランド、メキシコ、そしてセルビアが含まれます。これらの国々は、生食用としてだけでなく、加工品向けの原料供給においても重要な役割を担っています。

Les vergers Boiron - Framboise
Les vergers Boiron - FRAMBOISE

セルビア ― 冷凍フランボワーズ輸出のリーダー

セルビアは、世界最大の冷凍フランボワーズ輸出国として知られています。EU加盟国ではありませんが、EU市場への輸出が自由化され、この分野の急成長を支えています。

セルビアのフランボワーズ生産は主に家族経営で行われ、1経営あたり平均0.3ヘクタールと小規模ながら、地域に根差した農業形態を築いています。

セルビアがフランボワーズ生産で優位に立つ理由は次の通りです:

・フランボワーズ栽培に適した気候と土壌
・代々受け継がれてきた栽培の伝統
・約500か所の冷凍施設による、優れた保存・加工品質

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フランボワーズの栽培条件

フランボワーズは比較的丈夫な植物ですが、高品質な果実を収穫するためには特定の条件が必要です。セルビアでは標高600~1000mの丘陵地で栽培されており、冷涼で風通しの良い気候が湿気の滞留を防ぎ、病害の発生を抑制します。

苗木は植え付けから2~3年後に収穫を開始し、3年目以降に最盛期を迎えます。その後、15年程度の生産が可能で、持続的な収穫を実現します。

フランボワーズの収穫は非常に繊細で、通常は6月から7月にかけて手作業で行われます。果実が壊れやすいため、複数回に分けて完全に熟した実だけを摘み取ります。この丁寧な収穫により、風味や食感を最適に保つことができます。ただし、近年の気候変動により収穫の安定性が損なわれつつあり、生産管理はますます複雑で困難になっています

収穫量を最大化し、品質を維持するために、フランボワーズの木は支柱に誘引(パリサージュ)されます。この技術により、枝間の風通しが良くなり、病害の防止や収穫作業の効率化につながります。さらに、定期的な剪定を行うことで枯れ枝を取り除き、新しい枝の成長を促進し、長期的に健全な状態を維持できます。これらのパリサージュや剪定の技術は、高品質なフランボワーズを安定的に生産するために欠かせない取り組みです。

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SUCETTE FRAMBOISE - Les vergers Boiron

収穫と加工 ― セルビアのノウハウ

フランボワーズの収穫は非常に繊細で、6月から7月にかけて手作業で行われます。果実は壊れやすいため、複数回に分けて熟した実だけを収穫します。この丁寧な作業が、最適な風味と食感を保証します。

セルビアにおける収穫後のプロセスは次の通りです:

収穫直後に急速冷却し、色と質感を保持。

トンネルフリーザーで約12時間、-35℃まで急速冷凍。

冷凍後に手作業で選別し、品質基準を満たさない果実を除去。

用途に応じた袋詰めを行い、ピューレやデザート、飲料など多様な加工用途へ供給。

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フランボワーズ ― 伝統と革新の果実

フランボワーズは、その繊細な香りと汎用性の高さから、世界中で愛される果実です。セルビアでは、家族経営による栽培と最新の冷凍技術を組み合わせ、伝統と革新を両立させた生産体制を確立しています。

こうした背景から、セルビア産フランボワーズは特にヨーロッパ市場において高い信頼を得ており、今後も需要拡大に伴い、その存在感をさらに高めていくことが期待されています。

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