加工、プロファイル、ペアリング、レシピ
マンゴー:自然と加工の間を旅する味覚体験
マンゴーは、南国を象徴する果物として、その甘さ、芳醇な香り、鮮やかな色合いで人々を魅了してきました。世界中で人気を誇るだけでなく、加工フルーツ産業においても重要な役割を担っています。
インドは世界最大のマンゴー生産国として知られ、理想的な条件で栽培され、丁寧に収穫・熟成され、そして加工されることで、独自の官能的な個性を持つピューレが生み出されています。
収穫から出荷までのマンゴー加工の主要なステップをご紹介します。
収穫から加工へ:果実からピューレへ
加工に入る前に欠かせないのが、マンゴーの追熟です。果実の官能的な特性を大きく左右する重要な工程で、自然熟成またはエチレンによる方法の2つがあります。
(詳しくは「マンゴー栽培」の記事をご覧ください。)
最適な熟度に達したマンゴーは、いよいよ加工工程へ。ここから、芳醇な果実がピューレへと姿を変えていきます。
洗浄
熟成を終えたマンゴーは、まず丁寧に洗浄されます。清浄さと品質を守るための大切な工程で、最終製品の純度を損なう可能性のある汚れや残留物を取り除きます。
その後の選別で、未熟すぎる果実や過熟の果実は取り除かれ、最適な品質のマンゴーだけが次の工程へと進みます。
カット
カットは、マンゴー加工の中でも重要な段階です。果梗(へた)を切り落とした後、果実を2~3つに分けます。この段階でもう一度選別を行い、基準を満たした果肉だけが次へと進みます。
一つひとつの断面を確認する細やかな管理が、最終的な製品の均質さと品質を保証します。
製漿(せいしょう)
この工程では、マンゴーの種を取り除き、果肉をピューレ状にします。香りの発達に直結する重要なステップで、プレスが強すぎると「青臭さ」や「種っぽさ」が出やすくなります。
一方、しっかりと繊維を砕くことで、より滑らかで均一なピューレが得られ、収率も高まります。
充填と出荷
製漿を終えたマンゴーピューレは、低温(10℃以下)で保管されます。その後、リーファーコンテナ(冷蔵コンテナ)に積み込まれ、船便で約1か月かけて輸送されます。
この低温輸送により、新鮮さと品質がしっかりと保たれた状態で目的地に届きます。
マンゴーの官能品質を決める要素
マンゴーの風味、香り、食感、色合いは、多くの要因によって決まります。
・品種の選定:アルフォンソ、ケサール、トタプリなど、独自の風味を持つ品種が特に高く評価されています。
・栽培方法と産地:土壌や気候条件が、果実の成熟度や芳香成分の豊かさを左右します。
・追熟方法:自然追熟かエチレンによる追熟かで、味わいのバランスに違いが生まれます。
・加工プロセス:洗浄・カット・製漿といった各段階が、香りや食感の形成に影響します。
・保管と輸送条件:適切な低温管理と物流環境が、品質を守るカギとなります。
ボワロンのマンゴー製品:品種ごとの個性を生かして
レ・ヴェルジェ・ボワロンでは、品質の高い品種だけを厳選。
アルフォンソ種とケサール種をブレンドし、鮮やかな色合いと、甘味とスパイス感の絶妙なバランスを実現しました。アルフォンソ特有の濃厚さに、ケサール由来の樹脂のような香りと複雑さが加わり、奥行きのある味わいを生み出しています。
マンゴー:無限のペアリングの可能性
ボワロンの専門知識が生み出すマンゴーピューレは、シンプルなデザートから創造的な一皿まで幅広く活躍します。
トロピカルフルーツの王様であるマンゴーは、グアバ、パッションフルーツ、マンダリンなど、他のエキゾチックフルーツとの相性が抜群です。
さらに、コリアンダーリーフ、ターメリック、マドラスカレー、バニラといったスパイスとも美しく調和します。
また、ジャスミンやオレンジフラワーのような花の香りを加えることで、上品で洗練されたフローラルな一面も引き出すことができます。